ゆーくろっくは先日、子どもの不登校に悩む親御さまを対象に、「不登校経験者への相談会」を行いました。
大学生や社会人として活躍する3人のゲストにご自身の体験をお話し頂き、事前に親御様から頂いた質問にお答えし、最後に個別の相談対応を行いました。
今は大手人材会社で女性営業マンとして活躍する本田さん(仮名)が、どうやって不登校を乗り越えたのかを話してくださいました。
荒れた地域のため、学校に馴染めず不登校に
はじめまして。ご紹介に預かりました本田です。こういう場で自分の経験について話すのはお恥ずかしいのですが、みなさまのお子さまと近い部分もあるので、話したいと思います。
私は中学1年から2年の終わりまで不登校でした。
不登校になった理由は、学校に馴染めなかったからです。元々住んでいる地域がけっこう荒れたところで、学校も窓ガラスが割れていたり、みんなまともに授業を聞かないような感じでした。
私はそれが小学校の時にすごく嫌で、みんなが通う最寄りの公立中学ではなく、少し離れた別の公立中学に行きました。
ただ、自分だけが知っている人のほぼいない状況でその学校に入学したので、うまくなじめず、気づいたら一人でいることが多くて、入学して2ヶ月くらいで不登校になりました。
不登校中はネット依存、昼夜逆転、両親とは険悪な関係
学校に行けなくなると、だんだんネットに依存するようになりました。また、昼は自分だけ何もできなくて居心地が悪く、部屋で寝ていて、食事の時と家族が寝静まった時だけ部屋から出ていました。
母は私の気持ちを理解しようとしつつも、私のだらしない姿を見てイライラし、何度も口ゲンカをしました。
半年ぐらいすると、母も私の不登校を受け入れることができてきて何も言わなくなり、少し罪悪感が軽くなりました。ただ、だからといって状況が良くなるわけではなく、部屋にこもるゆううつな日々が続きました。
とあるブログが学校に行く決意をさせてくれた
そんな中、学校に行けるようになったきっかけは、とあるブログから得た気づきでした。
私は当時、とある女子高生のブログが日々更新されるのを毎日読んでいて、コメントを残してやりとりもしていました。
ブログには、彼女の学校生活やその中で彼女が感じたことが書かれていたのですが、1年ぐらい読み続けていると、彼女が学校生活の中でとても成長していることに気づいたんです。一方、自分は中学入学から時間が止まったままでした。
そこでどうやったら変われるのかを考えて、地元の中学に戻ることにしました。
地元の中学から逃げて別の中学に行くような弱い自分だったから、不登校になった気がして、ちゃんと地元の中学に行かないとどうしてもダメなような気がしたんです。家族もすごく心配しましたが、地元の中学に3年生から通い始めました。
地元の中学に戻って
最初は制服を着るのもつらかったですし、地元の中学に行くとやっぱりというか予想以上に荒れていて、イジメられたりもしました。勉強の遅れを取り戻すのにも時間がかかって、結局遅れを完全に取り戻したのは高1の夏ぐらいでした。
それでも、気の合う友達ができ、学校に通えるようになって少しずつ自分に自信も持てるようになりました。
最後に
あの経験があったから、人の痛みを以前よりも理解できるようになったと思いますし、自分に自信も持てるようになりました。
また、家族とのつながりも強くなりました。不登校の時は親御さんもつらいと思うんですけど、そんなゴールもあると知ってもらえたらうれしいです。ご清聴ありがとうございました。