ゆーくろっくは先日、子どもの不登校に悩む親御さまを対象に、「不登校経験者への相談会」を行いました。
大学生や社会人として活躍する3人のゲストにご自身の体験をお話し頂き、事前に親御様から頂いた質問にお答えし、最後に個別の相談対応を行いました。
現在は慶應大学理工学部で充実した大学生活を送る山中さん(仮名)が、どうやって過去に不登校を乗り越えたのかを話してくださいました。
親の別居と離婚がきっかけで二度の不登校に
はじめまして、慶應大学2年生の山中です。あまりポジティブな意味合いじゃないんですけど、みなさんのお子さんにとって「不登校の先輩?」にあたるということで、今日は自分の経験について話したいと思います。
僕は、小学3年生の時と中学2年生の時の2回にわたって、不登校になっています。
ただ、どちらもいじめや勉強の遅れなどの明確なきっかけや理由があったわけではありません。
小学校3年生の時は、最初は「今日なんか行きたくないな」と思って一日休み、次の日も休み・・・という流れでした。ただ、今振り返ると、両親の関係性が悪くなって、何をしてもだんだん楽しくなくなっていたので、家庭環境の影響はあったのかもしれません。
ただ、1回目の不登校の時は、両親が別居して自分は母親と祖父母の家に移ったので、どのみち学校には行けなくなりました。
だから、学校を休むための自然な理由ができて罪悪感を感じずに済みました。それが良かったのか、両親の別居期間中に回復し、別居解消とともに自分も学校に行けるようになりました。
両親の離婚で二度目の不登校へ
二度目の不登校は中学2年の時です。この時は両親が完全に離婚して、何もかもがどうでもよくなったというか・・・同級生がはしゃいでいても冷めた目で見るようになり、何かをがんばっても意味がないような気持ちになっていました。
僕も姉も父親についていったのですが、父親は一日中働いていますから、学校をさぼってもばれないので、さぼっていました。姉も同じような心境だったらしく、学校を休むようになりました。
父親も負い目があったのか、特に何も言いませんでした。
塾の先生の一言で学校に行けるようになった
学校を休んでも何も言わない父でしたが、やはり気にしていたらしく、中学3年の6月頃に「塾に行ってみないか」と突然言われました。
父がそんなことを言うのは珍しかったので、とりあえず塾に通い始めました。
そこで、塾の先生に進路について聞かれ、「特に考えていません」と答えると、先生に県で一番賢い公立高校をすすめられました。
僕はびっくりして断ったのですが、先生が、塾に通い始めて数日間の自分の様子をすごくほめてくれて、絶対大丈夫だからがんばろうよと言われました。それがすごくうれしくて、一生懸命勉強するようになり、自然と学校にも行くようになりました。
そして高校に無事合格しました。
両親の離婚は残念でしたが、先生の一言と受験を頑張れたことで、自分に自信を持てるようになりました。
最後に
自分の経験からお伝えしたい事は、いじめや先生に問題があるかどうかを確認し、それがなければ不登校の理由や原因を探る必要はないのではないかということです。
自分は明確なきっかけがなく不登校になったので、理由や原因を聞かれるのが一番つらかったです。
親のことだって、それが本当に不登校の原因かどうかは、究極わからないですし・・・。
それよりも、不登校かどうかに関係なく、塾の先生が自分を認めてくれたりほめてくれたことが、僕は何よりうれしかったです。それを心に留めてくださるとうれしいです。
最後まで聞いて頂いて、ありがとうございました。