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あえて不登校を選んでから大学に進学するという選択

本日は学生時代に不登校を経験し、それを乗り越え現在は、社会で活躍されている先輩の体験談を紹介させて頂きたいと思います。

先輩プロフィール

【名前】小林由季 【不登校の期間】中学2年3学期→高校1年1学期休学→次年度高校1年復学

『戦略的不登校』という選択肢

不登校という言葉を聞いて、皆さんはどんなイメージをもちますか? 不登校の“不”の漢字からは、登校「できない」といった消極的なイメージが連想されがちです。   「俺は学校に行けないダメな奴」「私の子は何で登校できないのか・・」と、社会からの評価や将来を気にして、苦しんでいる子・親御さんを多く見てきました。もちろん私も苦しんでいた一人です。しかし、   ・なぜ「学校に行く」必要があるのか ・「学校に行かない」と、どんな問題があるのか ・その問題は学校に行かないと解決できないのか   真剣に考えたことはありますか?   「学校に行く」本質的な意味を考えないと、「学校に行くのが当たり前」という常識に振り回され、親も子も苦しくなります。私は不登校中に出逢ったAさんのおかげで、「学校に行く」という常識から解放され、自分の人生を主体的に選べるようになりました。   今回は、同じ不登校でも、あえて『登校しない』という選択肢を選び、 10代の大事な時間を謳歌したAさんとの出会いをご紹介し、不登校生の進路の選択肢の1つになれば、これほど嬉しいことはありません!

『高校卒業認定試験』との出会い

私は中学2年生の冬休みに、病気が発覚し、三学期から数年間に渡る長期入院生活が始まりました。病院から外出許可をもらい、なんとか通学をしていたものの高校生になると同時に登校日数が足りず、あっという間に休学が決定。   再び高校に登校出来るようになる目処も立たなかったため、高校中退という現実と向き合わなければなりませんでした。   高校を中退したところで当時「中卒」「病気持ち」の私が、どうやって働いて生きていけば良いのか・・・。生きていく術が全く検討もつかず、将来の不安だけが頭をよぎり、泣くしかない日々を送っていました。そんな時、『高校卒業認定試験』の存在を知ります。

高校卒業認定試験とは?

高校卒業認定試験とは、試験に合格すると高校卒業程度の学力があると認定され、大学の受験資格が得られる制度のことです。
(参考:「不登校から将来を考える②〜高卒認定試験という選択肢〜」)   当時、医者になる夢を諦められなかった私は、高卒認定試験を受験するため、某通信制高校の高卒認定通信コースを受けることにしました。教材を学校から取り寄せて病院で自習し、月に1回、先生との面談にだけ通信制高校に通うという通学スタイルをとっていました。

あえて「学校に行かない」という選択

その時、私の価値観を大きく変える出会いがあります。それは通信制高校に通う同い年のAさん。彼女は県内の進学校に通える成績がありながら、あえて高校進学を選ばず、高卒認定の通信コースを履修していました。   なぜAさんは高校に行かない選択肢を選んだのか?   彼女に聞くと、「高卒認定に受かれば、大学受験が出来る18歳まで3年間自由な時間が出来る。その間に自分がやりたいことを思いっきりするんだ!」との返事がかえってきました。高卒認定は満16歳以上から受験ができ、大学入学資格の年齢条件は18歳なのです。(参考:文部科学省『諸外国の大学入学における要件(概要)』   あとから通信制高校の先生に聞いた話だと、Aさんは16歳になった年の夏に高卒認定試験に合格し、18歳になるまでの2年半、海外を旅しながら語学の勉強をしていたそうです。その後、大学にも合格し大学生になりました。   そう、彼女は『高卒認定試験』という手段を使って、10代の多感な3年間の時間を自らの手で生み出したのです。   彼女の生き方を見て、   「学校に行かなければならない」 「社会のレールから外れた自分はダメなやつだ」   と常識にがんじがらめになって苦しんでいた自分が馬鹿らしくなりましたし、「こんな生き方もあるのか!!」と学びました。   そこから私は「自分はこれからどう生きたいのか?私にとっての学校の意味は何か?」という問いに真剣に向き合うことになります。

学校に行く意味を問う

彼女の生き方を見て、「◯◯しなければならない」という義務感から解放され、誰かのため、社会からの評価のため、「学校に行く」という選択ではなく、自分にとっての「学校に行く」意味が明確になってきました。   「進学校である今の学校に通うことが医者になる夢(当時は医学部に合格すること)を叶える確率が1番高い」 「親友達と一緒に青春時代を過ごしたい!」 「学校の恩師であるA先生に元気に学校に通って卒業する姿を見せたい!!」   私にとって学校に行く意味は、上の3つ。復学して辛い時もありましたが、この3つの想いが根底にあったため、3年後に無事卒業することができました。

最後に

何のために学校に行く必要があるのか?   もしそれが「大学や高校に行くため」であれば、大学や高校に行く手段は「学校に行く」以外にも沢山あります。そもそも、なぜ大学や高校に行く必要があるのか?を考えて見ても良いかもしれません。   「人との共同生活を体験するため」であれば、必ずしも学校である必要はあるのでしょうか?   今の世の中には、目的を達成するための手段は探せば無数に出てきます。 「学校しかない」ではなく、「学校は1つの選択肢にすぎない」のです。