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不登校支援機関特集(PIAS麻布カウンセリングセンター)

自立・社会復帰率92%以上引きこもりを解決する支援施設とは 自立・社会復帰率92%以上引きこもりを解決する支援施設とは

子どもの問題を家族の問題と捉え、家族全体のカウンセリングを実施しているPIAS麻布カウンセリングセンター。この度、そんなPIAS麻布カウンセリングセンターで、長年、子どもの気持ちと親の気持ちに向き合ってこられた石川様に、家族カウンセリングの実態、また支援事業や現状に対する想いを伺ってきました。

金子 周平 氏 金子 周平 氏
PIAS麻布カウンセリングセンター
センター長 石川 裕理 氏

○○療法ではなく、言葉による治療で家族の問題解決を目指す

相談する文化が根付いていない日本

相談する文化が根付いていない日本 相談する文化が根付いていない日本
PIAS麻布カウンセリングセンターでは、どのような支援事業を行われているのでしょうか?
当センターでは、個人以上に家族・夫婦のカウンセリングやセミナーを重視しております。日本では家族や夫婦のカウンセリングはあまり浸透しているとはいえませんが、欧米圏ではセレブ層を中心に浸透しています。アメリカドラマの中でも、少しの悩みでセラピーやカウンセリングを勧めるシーンが見られますよね。精神疾患でなくても相談することが一般的になっているのです。
 一方で日本では、家族の問題は閉鎖的になりやすいことが多いです。なぜなら、日本では家族の問題という恥を外にさらさないようにするという意識があるため、欧米圏に比べて相談することに抵抗を感じている方が多いからです。また阿吽の呼吸・空気を読む文化が重視されるので、言語表現が重視されていないのもその一因だと考えられますね。
なるほど。家庭内の問題は家庭内で対処すべきという意識と、言わなくても伝わるという文化が閉鎖的な家庭内の問題を生み出すのですね。なぜ石川様はこのような事業を始めようと思われたのでしょうか?
そうですね。薬を貰うだけではなく、言葉による治療を求める方へ向けて、事業を開始いたしました。実は20・30年前までは、精神科は身近なものではなく通院することを隠すような時代でした。ところが、1996年に心療内科が設立され、今では精神科や心療内科に対する垣根がなくなり、通院する方も多くなりました。それは大変喜ばしいことなのですが、そうした機関では主に薬物療法や入院治療を扱っています。その結果、言葉による治療、つまりカウンセリングが少ないのが現状です。そこで、このような事業を立ち上げることになりました。ただし精神科医による専門的な治療が必要な状態だと判断した場合には、医療機関への紹介もしております。
精神科は今では一般的ですが、それが20・30年前は隠すような時代だったというのは驚きです。どうして言葉による治療が重要だとお考えになったのでしょうか?
インターネット・SNS依存症、リストカットなどの自傷行為や引きこもりなど薬だけでは治らない心の病が存在するからです。また、私自身言葉による治療によって回復した経験があります。11歳のころに摂食障害を患い、親子でカウンセリングを受診したのですが、そのときに良い心理士に巡り合うことができ、回復することができました。その後は、大学院を卒業し、今では心の専門家としてキャリアを積んでいます。こうした実体験も事業開始のきっかけになっています。

子どもの問題は家族からのSOS 問題の理由とその解決策とは?

家族・夫婦カウンセリングと子どもの問題

家族・夫婦カウンセリングと子どもの問題 家族・夫婦カウンセリングと子どもの問題
先ほど重視されていると仰っていた家族・夫婦のカウンセリングやセミナーに関してより詳しく教えていただけますか?まずは、家族・夫婦のカウンセリングからお願いします。
はい。ただ、その前にまず日本で主流になっている個人カウンセリングについてお話しいたします。個人カウンセリングでは、主に個人の内面の気づきや心の成長を重視しています。また、自己啓発的な意味合いでカウンセリングを受けている方も多いですね。一方で家族や夫婦のカウンセリングでは、目に見える変化を重視しています。家族が暮らしやすくなることや、誰かが苦痛を感じている状態をなくすことを具体的に実現していくことに重きを置いています。そのため家族カウンセリングは、心の成長を目指すものではありません。心の成長のスピードは人それぞれですので、結果として心の成長につながることもありますが、それよりも悩みを抱えている方たちが、目に見えて楽になる状態になることを目的としています。
なるほど。実際の変化に着目することで、悩みを抱えている方に有効な支援を行っているのですね。しかし、個人に向き合った方がより深くその人の悩みを知り、支援することができるのではないでしょうか?
実は子どもの問題を解決するには、家族・夫婦カウンセリングの方が効果的なのです。
子どもの問題であるのに、家族、ましてや夫婦のカウンセリングの方が効果的というのはなぜでしょうか?
まず子どもの問題というのは、コミュニケーションの形なのです。カウンセリングに来られる親御さんの多くが、自分たち親のせいで子どもの問題が起こってしまったと心配しています。しかし、子どもは言語能力が完成していないので、問題行動を通じて何かのコミュニケーションを図っているのです。例えば、不登校の子どもにその理由を尋ねれば、「友達との問題」や「先生と気が合わない」など、それなりの理由を言うものです。確かに不登校には、そうしたきっかけがあるのは事実です。しかし、きっかけと原因は違います。本当は、「なぜ学校に行きたくないのかよく分からない」というのが子どもの本音であることが多いのです。それは不登校が目に見えない、言語に頼らない子どもからのSOSだからです。

子どもが問題行動を通じて伝えたいことは、家族の中でくすぶる問題

子どもが問題行動を通じて伝えたいことは、家族の中でくすぶる問題 子どもが問題行動を通じて伝えたいことは、家族の中でくすぶる問題
子どもは何か伝えたいことがあるということを、言葉ではなく行動で伝えようとしているのですね。それでは、子どもは問題行動を通じてどんなコミュニケーションを図ろうとしているのでしょうか?
親が苦しみを抱えている場合、子どもが代弁者となって外に助けを求めてしまうことが多いですね。これは決して親が悪いのではありません。大人は世間体などを気にして問題を隠したがるものです。すると問題が家族の中でよどんでしまうので、子どもが突破口になって問題を外に出すことで、外の人が親の苦しみを発見できるようにするのです。会社でも同じですが、組織全体の問題は末端に生じます。そのため、子どもの問題も家族という組織の問題といえるのです。私自身も摂食障害を患っていたとき、心理士が帰ろうとする母親を引き留めて、話を聞く必要があると言ってくれたとき、これで母の悩みを聞いてくれる人ができたと子どもながらに安堵した経験があります。こうした感情は子どもなら誰でも感じるものなのです。

逆から考えることで慢性化した問題を解決する

逆から考えることで慢性化した問題を解決する 逆から考えることで慢性化した問題を解決する
なるほど。子どもの問題を解決するには、家族の問題に向き合わなければならないというのは興味深いですね。続いてセミナーについてもお聞かせ願えますか?
セミナーには、考え方を導入することで、親御さんが自分たちで考えながら、様々な手法を試すことができるという効果があります。夫婦関係や家庭を築き運営するということは、人生の一大事であるのに、学校教育では教えてもらえません。しかし、子育てセミナーは増えている一方で、夫婦関係セミナーはほとんど無いのが現状です。そこで、こうした部分に関するセミナーを実施し、心理教育を施すことで、親御さんに考え方を導入しています。
考え方を教えることで、カウンセラーの方と親御さんが一緒に問題を解決するアプローチを考え、実践することができるのですね。具体的にはどんなアプローチ方法があるのでしょうか?
逆説介入というものを当センターでは重視しております。これは家族療法の一つで、物事を逆から考えることで解決を図る手法です。例えば、非行に走っている子どもに対して、外泊を制限するのではなく、決まった曜日に外泊をさせることで問題の解決を図るといったものです。本来自分が好きでやっていたことを強制されることで、自分の行動にネガティブな印象を持ち、その行動をやめてしまうことがあるのです。逆から考えるというアプローチを家庭内で導入することで、これまでの葛藤、つまりいつも同じようなやり取りに陥ってしまうという問題を解決できる可能性があります。
逆から考えるというアプローチは初めて聞きましたが、面白い考え方ですね。自分の行動を強制されると、親の言っていることに素直に従ってしまうことになりますから、子どもの反抗心を逆に利用して、良い方向に変えてしまうということですね。

家庭内の問題に悩む方へのメッセージ

最後に、不登校などの子どもの問題で悩んでおられる方々へメッセージをお願いいたします。
不登校などの子どもの問題は一時的なものです。しかし長期化してしまうと30年40年と引きこもり生活が続いてしまうこともあります。だからこそ、最初に専門家の手を借りてちゃんと治すことが重要なのです。自分自身も親が外に助けを求めてくれなかったら、今の自分にはなっていなかったと思います。金銭的な面に関してはご相談に乗ることもできますので、子どもの問題を家族の恥だと考えず、ぜひ相談に来てほしいと思います。
取材に協力していただいた不登校支援機関
あけぼのばし自立研修センターあけぼのばし自立研修センター
PIAS麻布カウンセリングセンター
PIAS麻布カウンセリングセンターは、悩みを抱えている方々のありのままを受け入れ、最大限に自分らしく生きることをお手伝いしたい、という思いで支援を行っている民間の支援センターです。 悩みを抱えている方自身の問題でなく、配偶者や、親、子どもの問題であれば、その「人間関係全体」の「回復した姿」を導き出します。