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小学生の不登校の原因と対応 ・ 早期解決に向けて

小学生の不登校は中学生や高校生に比べると少ないですが、平成26年の文部科学省の調査によると、全国で約2万5千人の小学生が不登校となっており、決して見逃せる数字ではありません。小学生の不登校は、学年が上がるほど増加する傾向にあり、1年生では1千人ですが、6年生では約8千人となっています。思春期になるにつれて不登校リスクが高まります。


小学校は6年間と長く、受験をしなくても中学校に進学できるため、不登校になっても中学や高校に比べるとスムーズに戻ることができ、その後の人生への影響が比較的少ないのが特徴です。とはいえ、もし不登校になってしまった場合には、可能な限り短い期間で学校に戻れるようになってほしいというのが、親の本音です。


小学生は学年によって不登校の原因の傾向が大きく異なるので、代表的な原因をおさえた上で対応していきましょう。

小学校1~2年生の不登校の原因 -環境の変化による不登校-

小学校1~2年生は、幼稚園や保育園から小学校に入学することで、環境が大きく変化します。まだまだ一人でできることが少なくて人見知りも激しいこの時期に、新しい先生や友だちと過ごすのは、子どもにとって負担の大きいことなのです。

長い時間を親から離れて過ごす

保育園児は親と離れて過ごすことに慣れている場合が多いですが、幼稚園児はそうではないので、不安は当然強くなります。実際、母親から離れるのが不安で不登校になる子どもは、年齢が低くなるほど多くなります。

ルールや集団行動が増える

小学校は幼稚園や保育園よりもルールが増えます。特に保育園は、子どもを教育する場ではなく預かる場です。子どもも学びに行っているのではなく、日中を過ごすために行っているのです。


自由な生活から、細かく決められたスケジュールで動き、色々なルールのもとで集団生活を送る生活に変化に適応するのは、一定のストレスがかかっているのは否めません。

勉強が本格的にはじまる

勉強につまづくことも不登校の原因になります。1~2年生の授業内容は平易なので、学習障害を除けば、勉強してもわからないという意味ではなく、いすにすわって勉強するという行動になじめないという意味でつまづく場合が多いです。

小学校3~4年生の不登校の原因 -周囲を気にする不登校-

1~2年生と3~4年生の不登校との違いは、不登校の原因が環境の変化から人間関係や学習の遅れに移っていくということです。環境の変化の場合は慣れとともにおさまっていくことも多いですが、そうではないため、この時期から不登校が長引く傾向にあります。

少しずつ人間関係が複雑になる

この時期になるとグループが形成され、グループ間や子ども同士に上下関係ができて人間関係が複雑になります。先生に見えないところでのいじめや陰口なども現れはじめますし、友だちとの関わりに悩みが生じるようになります。

恥ずかしいという気持ちが出てくる

だんだん「恥ずかしい」という感情が強く出てくるようになります。体育や音楽などが苦手で嫌がる場合や、みんなの前で先生に注意されたり友だちにバカにされるとひどく傷つくようになり、それが不登校のきっかけとなります。

勉強についていけなくなる

「恥ずかしい」という感情に加えて、少しずつまわりが見えるようになって、周囲と自分を比較するようになります。その中で、授業内容も難しくなって勉強についていけなくなり、周囲との比較で自信を失うことが不登校の原因になります。

小学校5~6年生の不登校の原因 -思春期に伴う不登校-

個人差はありますが、思春期を迎えていきます。自分自身の変化に不安と戸惑いを感じる一方、少しずつ自我が芽生え始めて、自分なりの考えを持ち、世の中に疑問や意見を抱き始めます。親や先生の言うことを100%素直に聞けなくなっていきます。

人間関係が一層複雑になる

男女の差異が大きくなり、異性を意識し始めるようになります。友だち同士でお互いを評価するようにもなります。人間関係はますます複雑になる一方で、自尊心が強くなって心は繊細になるので、傷つくことが増えていきます。

親や先生を客観視する

学校の仕組み、先生の振る舞い、親の考え方に対して、疑問を抱くようになります。幼い頃のように「ただ親や先生に褒められて満足」といった単純な思考ではなくなり、言うことを聞くことへの反発が生まれたり、親の期待をプレッシャーとして受け取ってしまったりと、複雑な心情が備わっていくようになり、不登校のリスクは一気に高まります。

学習内容が高度になる

学習内容も全般的に難しくなっていき、簡単には埋まらない学力の差が現れ始めます。学力やテストの点を強く気にするようになり、成績が悪いと落ち込んだり、気にしないふりをするために悪ぶったりします。

小学生の不登校の対応 -原因を探りすぎず、不登校を認めてあげよう-

まずは学校を休ませる

色々言いたいことはあると思いますが、まずは子どもの気持ちを理解してあげてください。休み始めたら、本人にはしばらく休んでもいいことを伝え安心感を与えましょう。前日に行くと言っていたのに行けなくても、理解を示してあげてください。


不登校の原因を理解する

落ち着いてゆっくり話ができる機会を子どもと持つようにしてください。ただ、小学生なので、学校に行きたくない理由をうまく説明できない場合も多いです。。その時は、聞きすぎてはいけません。何度も聞かれることで不登校の自分への罪悪感が増しますし、親が納得しそうな理由をとりあえず言って、あとから本人が苦しむことも多いからです。


不登校の理由は、いじめの有無の徹底的な確認は必要ですが、それ以外はわからなくてもかまいません。なんとなく大体の事情を察することができれば十分です。最初に書かれた小学生特有のストレスによるものだと理解してあげてください。

先生の家庭訪問を有効活用する

先生に家庭訪問をお願いし、有効活用しましょう。小学生にとっては、先生への信頼度が教室での安心感を大きく左右しますし、先生が好きかどうかと学校が好きかどうかは、大きな関係性を持つからです。


まずは、学校や勉強の話題を控えてもらい、子どもの好きな話題で話をしてもらったり、一緒に遊んでもらうのがよいです。そして様子を見て、子どもが好きそうな行事に誘ってもらうのがよいでしょう。


自信を育む

学校に行ってなければ、何をしてもいけないわけではありません。むしろ、好きなこと、得意なこと、興味のあることをどんどん応援し、そういったところでのがんばりをほめてあげてください。学校以外の場での取り組みの中で、成功体験をつんだり、まわりからほめられることは、自己肯定感や自信の形成につながり、不登校からの回復に大きく寄与します。


また、可能であればお手伝いをお願いしてみてください。家の中で役割を得ること、感謝されることも、自信につながっていきます。

特別配慮を得る

子どもが安心して学校に行くために必要であれば、学校まで親が送る、保健室登校をするといったような特別な対応を認めてもらえるようにしましょう。また、子どもの現状や性格を先生にこまめに共有し、学校生活の中で子どもの良さが活きる役割をうまく与えてもらい、自信を育んでもらえるようにしましょう。


友人関係が不登校の大きな原因になっている場合は、クラス替えで考慮してもらえるようにお願いしましょう。