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一人っ子の不登校の子どもへの適切な対応

子どもの性格には、生まれつき備わっているものと育っていく環境の中で形成されるものがあります。子どもが一番長い時間を過ごす環境は家庭なので、家族構成・兄弟構成は子どもの性格形成に大きな影響を与えます。


昔に比べると、一人っ子の割合は本当に増えました。2014年の合計特殊出生率は1.42ですが、1947年はなんと4.54人です。昔の女性は平均して生涯に約5人子どもを産んでいたという事になります。


以上のことから、必然的に一人っ子の不登校は増えています。よって、一人っ子の特徴をきちんと理解した上で、不登校時の子どもへの対応を考える必要があるでしょう。また、一人っ子といってもいくつかタイプがあることを考慮する事も重要です。

一人っ子の性格の特徴

人の顔色や意見にとても敏感でわがままを言えない

実際に不登校の子どもを支援していて、一人っ子には大きく二つのタイプがあると感じています、一つはわがままを言えないタイプです。


子どもが生まれると、家の中は子どもが中心になります。一人っ子だとその子が完全に家の中心になります。そこで何が起きるかというと、子どもの様子で家の中の雰囲気が決まるようになるのです。自分が明るくしていれば家の中が明るくなり、自分が親の期待に応えると親が喜ぶ。逆にしていると家の空気がすごく悪くなる。そんなことを子どもは感じ取ります。


そうした環境で育つと、いつもまわりの空気を読んだり人の顔色を伺ったりするようになり、ストレスをためやすくなってしまうのです。どちらかといえば、教育熱心で厳しいご家庭や、家族をすごく大事にする親御さんの子どもに多いタイプです。

いつまでもわがままで甘えん坊になる

もう一つのタイプは、わがままで甘えん坊なタイプです。


一人っ子の親は子ども一人を相手にするので、兄弟がいる場合よりもはるかに余裕があり、言うことをききやすいのです。また、おじいちゃんおばあちゃんも昔に比べると孫の数が少なくなっているので、子どもはとても大事にされます。実際、最近の幼稚園や小中学校の運動会では、親だけでなく、おじいちゃんおばあちゃんも来ているご家庭が非常に多いです。


親は、ちゃんと自分のことを見て気持ちをくみとり、先回りしてくれるので、どうしても甘えん坊でわがままになってしまうのです。

素直でお人好しで憎めない

一人っ子の子どもは、本当に素直でお人好しな子どもが多いです。特に、「足が遅くても、勉強ができなくても、家族はそのままのあなたが好き」というような。無条件に子どもを愛する気持ちを持っている親御さんの子どもに非常に多いです。


彼らは、条件なしの肯定や愛情を受けて育っているので、自分自身を無条件に肯定できています。自分と他人を比較したり、人を攻撃したり、バカにしたりしないのです。人の意見を決して否定しないし、むしろ「それいいね」といつも肯定的です。

その分たくましさに欠け、競争するのは苦手な場合多い

そういった素直でお人好しな部分があるので、どうしても一人っ子は兄弟が多い子どもに比べると、たくましさに欠けて競争するのが苦手な場合は多いです。また、挫折に弱く、難しいことは早めにあきらめてしまう傾向にあります。

一人っ子の不登校によくある原因と適切な対応

以上のような性格から、一人っ子の不登校は、以下のようにタイプに合わせて対応することが重要です。

親と離れられなくて学校に行きたくない

小学校4年生ぐらいまでによくあるのが、親と離れるのが不安で学校に行きたくないという不登校です。特徴としては、お母さんと一緒でないと学校に行けない、お母さんがそばにいれば友だちと遊んだり勉強したりできるといったことが挙げられます。


対応策としては、①できる限り甘えさせてあげること、②まずは親と一緒に行動範囲を広げていくこと、が大切です。


本当に甘えさせてよいのか不安だと思いますが、大丈夫です。幼い子どもは抱っこを求めますが、どんなに甘えん坊でもずっと抱っこしてほしいわけではなく、満足すると降りたがります。そして大きくなるにつれて、抱っこの量は減ります。甘えん坊の不登校も同じです。

同年代だけの環境・同年代とのコミュニケーションが苦手

一人っ子の子どもは大人とのコミュニケーションが上手な代わりに、同年代と過ごすのはやや苦手な傾向があります。気遣いをしてもらえない対等な関係の中で、自分の意見を主張したり、相手の意見を聞いたり、ときに妥協したりするのが苦手なのです。


いじめがあると分かった時は、先生や親も交えて話し合いをし、お互いに一切関わらないようにするか、仲良くするかを決めてください。


単純に同年代だけの環境が苦手という場合は、一人でよいので仲の良い友だちができるようにサポートしてあげてください。家に招待する、お泊り会を開く、どこか一緒に遊びに行かせる、親が一緒に連れて行ってあげる、などがよいと思います。

規則やスケジュールが決められた集団生活が合わない

これは、家の中で必要なルールやお手伝いを決めて、少しずつ取り組ませて、家の中から集団生活に適応できるようにさせることが大切です。あとは、ボーイスカウトやサマーキャンプ、野球やサッカーなどの集団スポーツの習い事をすることが有効です。

親の期待に応えようとしすぎてつぶれてしまう

中学・高校の一人っ子で多いのが、親の期待が大きい中で、難易度が上がっていく勉強についていけなかったり、受験のプレッシャーに負けて不登校になるタイプです。このタイプで難しいのは、本人が一番これまで受けてきた親の期待にこだわってしまい、親が期待を下げてあげても受け入れられない(それなのにがんばれない)という現象が起きることです。


これは、時間をかけて解決するしかありません。親はありのままでいいと子どもに伝えながら、子どもが少しずつ自分と向き合い、弱い自分やダメな自分を認められるようになるのを待つしかないです。そんな自分を認めたうえで、何を目指してどうがんばるのかを決められるようになるまで、待つしかありません。


あとは、好きな事を通して自分への自信を身につけたり、家庭教師や友だちとのコミュニケーションの中で少しずつ考え方を広げることが効果的です。親はこうしたサポートを心掛けるとよいでしょう。

将来のイメージが持てない、新生活の不安感が強い

上に兄弟がいないとどうしても将来のイメージが持てないですし、将来のことを考え始めるのが遅くなり、そうしたことを考えるのに対する慣れが遅くなります。また、中学校入学などの新生活が始まる時も、上に兄弟がいればどんな生活が待っているかをイメージしやすいですが、一人っ子の場合はそうではないので不安感は自然と強くなります。


一人っ子でも将来に対する情報に早くから触れるためには、年上との交流がある習い事や家庭教師の利用が大変有効です。

最後に

一人っ子は、ネガティブな意味合いで捉えられる場合が多いですが、決してそんなことはありません。素直で優しい性格の場合が多く、たくさんの魅力を持つ子供ばかりです。


ただ、子どもに限らず誰かをサポートすることに相手のことをよく理解し、相手の特徴に応じて対応することは重要です。一人っ子の不登校の場合も同様だと思います。


すべての子どもたちが、元気に明るく育ち、楽しい毎日を過ごすことを、ゆーくろっくは願っています。